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DSP Actionで倒壊するビルに音をあてよう
DSP Actionは瓦礫や破壊といった、アクション系の効果音ジェネレーターを複数搭載しており、ダイナミックでインパクトのあるサウンドを楽しく手軽に作成できます。マウスやペンタブで線を描くだけで、破壊や粉砕シーンにぴったり合う効果音を作成できます。
今回は、倒壊していくビルの3Dシーンに音をあてていきましょう。
倒壊のベースとなる音
まずは「ガラガラ…」としたビルの倒壊のベースとなる音から作りましょう。これは動画内の特定のイベントではなく、シーン全体で鳴るアンビエンスのような扱いです。DSP Actionでは、サウンドパラメーターだけでなく、「どのトリガーを線でなぞるか」によっても音の鳴りや密度を調整できます。
まず倒壊のベース音として、ブレイク-地面パッチを選びました。このモデルでは、スケッチパッド上のセルのサイズによって地鳴りの規模感が変わります。たとえば動画で大規模な倒壊が起こる瞬間、ストロークを大きなセルへと移動させれば、映像のタイミングに合った倒壊の規模感を手軽に作り出せます。
追加のレイヤーとして、ブレイク-壁パッチを使いました。トリガーの仕組みは前述のブレイク-地面パッチと似ています。インパクトセクションにてクラッシュのレベルを下げることで、打撃感の少ない煙っぽい壁の崩壊音にしており、前述のブレイク-地面パッチをよく補完する音に仕上がっています。必要に応じて、コントロールセクションで六角形トリガーのサイズを調整すると、壁の崩壊のスケール感を調節できるでしょう。
DSP Actionでは、コントロールパラメーターでスケッチパッド上のグラフィックトリガーの配置を変えられるだけでなく、トリガー形状、線、変形そのものが音の響きや規模感をも変えていきます。
その他破壊系音
次のステップとして、ビルの特定の部品に起因する音をデザインしていきます。
ブレイク-ミックスパッチは、建物の正面や、一部の部品が崩壊したときの音あてに使いました。このパッチでは、セルの大きさによってサウンドの規模感が変わるため、動画内で大きな崩壊が起こったタイミングで大きなセルの上を描きなぞれば、激しい倒壊にシンクロした音を簡単に作り出せます。
また、このパッチではさまざまな素材を混ぜ合わせて、音のバリエーションを生成することができます。シーケンスの開始時にガラスの破片と衝撃を増やし、後半で岩成分を増やしています。
「パラメーターを調整する」「別のストロークを描く」「スナップ機能で即座に音を書き出す」 といった機能を活用していけば、多くのサウンドバリエーションを素早く作り出していけるでしょう。
大きな塊が互いに衝突する場合は、ヒット-落石とブレイク-爆発パッチを使っています。後者はトリガーの円のサイズによって爆発の規模感が変わります。シーケンスの前半は小規模な倒壊が多発しているので小さな円をなぞっていますが、最後の崩壊では、より大きな倒壊を出すために大きな円をなぞっています。また、クラッシュ音を追加したブレイク-壁パッチを再度使用し、崩壊音を補完しています。
わずか数種類のパッチから、一連の倒壊イベントに合うサウンドバリエーションを作り出すことができました!
魔法の渦
瓦礫を吸い込んでいく魔法の渦にも音をあてていきましょう。前述の倒壊音とは明らかに異なる、魔法演出向けのパッチを選んでいきます。
ムーブ-風切りパッチで、僅かなモジュレーションと強めのフレンジャーを設けたのち、円状にストロークを描くことで、渦巻く魔法にぴったり合う吸い込み音に仕上がります。
また、スタート/ストップ-ライザーパッチで、パワー感を加えています。スケッチパッドY軸へ線を上げていくことで、ざらついた過激なトーンが加わります。
どちらのパッチも、後半でストロークを下へ落とすことで、渦動の消失・分散感を強調しています。
以上で、クイックチュートリアルは終了です。動画やゲームでさらに破壊シーンが必要な場合は、ブレイクカテゴリに他にも多くのサウンドパッチが用意されています!
DSP Actionについては、他にもジェネレーティブグラフィックス、戦闘機と空母、グリッジといった記事もあるので、参考にしてみてください。