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DSP Actionでカークラッシュシーンに音をあてよう
前回のブログは、建物の崩壊音をDSP Actionで描いていくチュートリアルでした。今回はよりシネマティックに、車がクラッシュするスローモーションシーンにぴったりの音をあてていきましょう。
ドロップトーン
まず車の減速から始まるので、エンジン音であるムーブ-車モデルを使いましょう。
排気と地面の摩擦パラメーターを強くしています。右上から中央へゆっくり動きに合わせて線を描き、壁にぶつかった瞬間、筆を右に戻す流れで描くといいでしょう。
よりリアリティーを高めるため、車がクラッシュする直前でスタート/ストップ-タイヤモデルも重ねています。新バージョンより搭載された動画再生ウィンドウを使えば、絵の動きにぴったり合う音を描くことができます。
なお、ピッチコントロールはスピード設定にしています。このモードでは、速く描くほどピッチが高くなり、また、マウスやペンタブが動いている時だけその加速に応じて音が出るため、短い音を描くのに適しています。
DSP Actionには、線を描くスピードで音を制御できるモデルが複数搭載されています。そのパラメーターとして「スピードの影響度」などが設けられており、
筆のスピードに対する音の反応具合を調節できます。
最後に、スタート/ストップ-ベースドロップモデルを使って、映像のスロー感と何かが起こる予兆のような期待感を与えています。
共鳴を少し上げて音を豊かにし、車が壁にぶつかる直前まで下側へと線を描いていきます。
クラッシュ
衝突や破片シーンでは、複数の音を重ねています。
インパクトの瞬間はヒット-岩石モデルとブレイク-クラッシュモデルを組み合わせて、金属板のクラッシュ音を演出しています。
その後のガラスの散らばりは、2種類のモデルを使っています。
①ブレイク-陶片:「ガシャン」とした衝突直後のバックラッシュ音。高密度の破片音となるように、グラフィックトリガーを調整しています。
②ブレイク-ガラス:「パラパラ…」と後半で舞い散るガラス片。こちらは線の密度や線の太さを下げ、動画のモーションに合わせるように線をなぞるだけで音を生み出せます。
DSP Actionは、スケッチパッド上の模様を変え、線でなぞることでサウンドを操れる「ジェネレーティブグラフィックス」という新機能が備わっています。
サウンドパラメーター同様、このグラフィックパラメーターもランダム化できるため、これにより多くの音のバリエーションを生成できます。
ジェネレーティブグラフィックスと生成される音の関係については、こちらのブログにて詳しく説明しています。
また、動画後半の車体のバウンスには、ブレイク-ミックスモデルの音をあてています(金属以外のコンポーネントはミュートしています)。
2度目のバウンスでは、ブレイク-金属モデルも重ねています。こちらはより小さめの金属オブジェに適した音のため、車体の浮きに合わせて前述の重めの音と重ねることで、車体のバウンスをうまく表現できます。
作業はこれだけです!今回のような複雑なシーンでも、パラメーターを調節し、マウスやペンタブで線を描くことで、迅速かつ直感的に、絵にぴったりの効果音を演出していけます。
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