BLOG
弊社英語ブログのうち、いくつかを日本語翻訳しています。英語ブログはこちら

Alto Studio 4.0 リリース
業界標準のオーディオダイアログツール・Alto Studioの最新バージョン4.0がリリースされました。今回もアップデートは無料で、すでにお使いのユーザーはすぐに最新バージョンをお試しいただけます。

Alto Studioとは?
Alto Studioは、ゲーム開発チーム、サウンドスタジオ、翻訳エージェンシー等のために開発された、ボイスローカライゼーションツールです。
参照する言語のキャラクターボイスと、対応する単/複数の海外版ボイスに対して、ファイルの欠損、ファイル名、ラウドネスや各種音声特性が一致しているか、などを一括でチェック・補正できます。
数十万のボイスファイルのチェック・修正もわずか数分で行い、結果を統計付きレポートとして出力できます。
また、
- 台本からプレースホルダー(仮入れの)ボイスを生成する音声合成機能
- ゲームでよくある、ボイスの連結が自然に聞こえるかを確認できる、インタラクティブダイアログテスター
- オーディオ特性に基づいた命名管理もできる、ボイスファイルの一括バッチ・リネーマー
など、ゲーム開発に役立つユニークなツールも多数搭載されています。
バージョン4.0の新機能
主な新機能を一部ご紹介します。詳しくはリリースノートをご確認ください。
ボイス特性を視覚化
ボイス波形を新たにピッチカラーで表示。大元のボイスと、それに対応するローカライズボイスのピッチ差がわかります。
男性ボイスと女性ボイスでは色は大きく異なり、全体的に色相に違いがある場合、両者のボイスの平均ピッチが異なることを示唆します。部分的に色が異なる場合は、言語のイントネーションに起因するところが大きいでしょう。

また、新たにスペクトログラム画面も追加。スペクトル表示をクリックすると、上図右下のように縦軸を周波数、横軸を時間、振幅を色とする、3次元ビューが表示されます。クリックノイズ等の問題を分析するために使用できます。
インポート/エクスポートの改善
FMOD Designerのサポートは廃止し、新たにFMOD Studioインポーターが追加されました(Alto Studio バージョン3の時点では、FMOD Studioにはローカライズダイアログに該当する機能がありませんでした)。新しいインポーターは、ローカライズされたオーディオテーブルを検索し、インポートする言語とバンクを選択できます。

また、ADX2(CRI・ミドルウェア社)のバージョン3.x以降のインポートとエクスポートのサポートが利用可能となりました。さらに最新のWwiseプロジェクトファイルの読み書きに対応できるよう、ツールも改良されています。
ラウドネス補正の新アルゴリズム
新たな独自アルゴリズムにより、ボイスが非常に短く、通常のEBU分析が通用しない場合でも、統合ラウドネスの計算と修正が可能になりました。
これについては過去に多くのリクエストが寄せられており、Alto Studioは、ゲーム開発でありがちなボイスラウドネスの問題を解決できるツールとなりました。

より深いインテグレーション
Alto Studioは、各種ゲームプロジェクトとさまざまな方法で統合し、パイプラインを構築できる機能があります。バージョン4.0は、コマンドラインインターフェース(AltoCLI)に以下の新機能を追加しました。
■Analyze(分析)・Correct(修正)コマンド:それぞれ2ステップに分離され、より柔軟になりました。
■Check(検証)コマンド:QuickCheck機能にアクセスしてフォルダ内ファイルをすばやく検証できます。
■Voices(ボイス)、Synthesize(合成)コマンド:マシンにインストール済の互換性のあるすべてのTTS音声を一覧表示し、仮入れボイスの生成を行えます。
■Info(情報)コマンド:Alto Studioプロジェクトの詳細を表示します。

またAlto StudioプラグインSDKには、ファイルに関連付けられたメタデータやスクリプト情報(テキスト、文字、アクター)を設定/取得するための新コマンドも追加されました。
迅速&ノンストレスにボイスチェックを行い、ローカライズの品質を保証するAlto Studio 4.0。試用版をご希望の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。