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GameSynthで、手持ちの録音サンプルから幅広い音を作り出そう
GameSynthのパッチングモデルに備わっている各種プロセシングモジュールを使って、手持ちの録音サンプル音を二次加工することもできます。
またそれらを、GameSynthのプロシージャル合成音とミックスする手法をとれば、効果音デザインの幅がぐんと広がります。
本記事では、GameSynthを使った「キャラクターボイスのエフェクト加工」「銃器音のバリエーション作成」「グラニュラー合成」
の手法を紹介していきます。
キャラクターボイスのエフェクト加工
GameSynth ver1.1より、ボイスエフェクト専用ツール・VoiceFXが新登場しましたが、ほかにも
パッチングモデルのSamplePlayerモジュールを使ったボイスエフェクトデザイン設計も可能です。
例えば下図のようにVocoderモジュール(もしくはリングモジュレーター)と繋げれば、ロボット風ボイスが完成します。モジュール内にて、バンド数・マグニチュード・キャリアシグナルを調整できるため、音のニュアンスの調整も可能です。

図では省略していますが、もちろん各種エフェクター(イコライザー、フランジャー、コーラス、ピッチシフター、リバーブ、ディレイ、サチュレーター)を繋げたり、LFOやエンベロープでの各サウンドパラメーターの変調が可能です。
ほかにも、動物の鳴き声と手持ちのキャラクターボイスをConvolverモジュールで繋げてクリーチャーボイスに仕立てたり、下図のように Degraderモジュールでサンプリングを劣化させつつ僅かなノイズを加え、ラジオ風ボイスにするといった事も可能です。

また、エイリアンのようなボイスも可能。加えて、GameSynth Ver1.1より新登場のVoiceFXモデルを使えば、より手軽で多岐にわたるボイスエフェクトの作成が可能です!
銃声の効果音をデザイン
パッチングモデルでは SamplePlayerモジュールをはじめ、複数のモジュールの同時発音やシーケンス発音も可能です。
例えば、以下のモジュールでは、手持ちの複数のサンプル発砲音と、Modesモジュールで作った薬きょう金属音を組み合わせて、 凝った「銃声」を設計しています。このように、手持ちのサンプル音とプロシージャル生成音をミックスして、音をカスタマイズすることも可能です。

※画面右の薬きょう金属音(Modesモジュール)は、TimeShifterモジュールによってタイミングを遅延させており、これによって「バン!…カラン」といった音になります。 モジュール下部のリバーブやイコライザーモジュールで音を整えたのち、最終的に左の発砲音と右の薬きょう音をミックスさせています。
また、各サウンドパラメーターをゲーム変数からコントロールできることや、場合によっては、効果音パッチ側からゲーム側にトリガーを送るといった使い方も可能です。
グラニュラー合成
GameSynth ver1.1では、落石、炎、水、アモルファスなどの効果音作成のためのパーティクルモデルが新登場しましたが、ほかにもパッチングモデルを用いたグラニュラー合成で作ることも可能です。下記のGranularPlayerモジュールの通り、手持ちの 複数のサンプル効果音を入れ込み、それぞれの発音確率を調整しておけば、トリガーされるごとにランダムにサンプル音が選ばれ、ランダムに発音されます。加えて、振幅、チューニング、ライフタイム、ループ設定や、粒子発音の一定間隔・ランダム間隔の調整が可能です。


上記の例では、緑のGranularPlayerの上流に2つのモジュール(EnvelopeとDistribution)を繋げています。Envelopeで音にフェードをかけ、さらにDistributionで10/秒の確率で音を発生させるようになっています。これによって、「ガラガラ…」「キラキラ…」といった粒子系サウンドになります。
前の記事で取り上げたサウンド分析機能と組み合わせると、お手持ちの効果音素材をもとにあらゆる効果音を作り出せるでしょう!