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アニメ・ゲームの音演出にDSP Motionを役立てよう

UnityやUnreal Engineなどのゲームミドルウェアのおかげで、個人でも立派にゲームの開発ができる時代。ですがシーンによく合う効果音を演出するのは、やはり時間がかかります。
また大手のサウンドデザイナーも新しい案件ごとに異なる効果音素材を購入したり、そのつどフォーリー音を自前で録音したりという負担があります。
効果音作成ツールDSP Motionは、
・線を描くようにして、動きにマッチした音を作れる
・効果音バリエーションの量産も容易
など、ゲームのサウンドデザインに役立つ機能が搭載されています。
今回は、DSPMotionを使ってアニメやゲームシーンに音を当ててみましょう。
バトル、アクションシーン
上の動画では、キャラクターの大剣の振り回しモーションを見ながら、マウスでスケッチパッドに線を描き、線を保持しながら「風」「炎」「金属」などのサウンドモデルに切り替えています(Ctrlを押しながら別のサウンドモデルを選択)。ツール右側の音色パラメーターにランダム幅を設けている効果もあり、さまざまな音色の剣の振る音を素早く作り出せます。
特殊効果
UnityのDissolveシェーダーを使って、ビジュアル側でキャラクターをじわじわと出現・消失させています。
素早くサッと出現、じわじわゆっくりと消失…そういった様々な時間の音を、通常の効果音素材から作ろうとした場合、サウンドエディタ上で時間のかかる編集作業が必要になるでしょう。DSP Motionの大きな特徴として、音の長さやうねりを、線で手軽にコントロールできるという点があります。つまり音のバリエーションが手軽に作り出せ、かつ絵の修正や変更にも強いといえます。
魔法、必殺技
エフェクトデザインを行っている方へ。DSP Motionには「炎」「電気」「水」「風」など、ゲームやアニメの魔法や必殺技と相性のよいサウンドモデルが搭載されています。
音の知識がなくても、自作のビジュアルエフェクトのめりはりやタイミングによく合う音を、自分の手で作り出せます。フォーリー
おどろおどろしい敵のモンスターの動作、凝った地形の地面… 映像の動きに音をきちんと当てられれば、それだけでシーンに説得力が増します。DSP Motionでは、ゴム、金属、有機、ミネラル(岩石)など、プロのサウンドデザイナーによる高音質のフォーリー系モデルも搭載されています。 これまでのサンプル素材では違ったスタイルで、シーンに音をあてるプロトタイピングが出来ます。
ギミック
今日3Dゲームのグラフィックはますますフォトリアルになっており、その結果、物理的なギミックから生じる音も、ごまかしがきかなくなってきています。オブジェを引きずる音、謎解きやパズルを操作するギミック、一見地味なシーンであっても、音をきちんとデザインすることで、シーンに深みと説得力が生まれます。
自然音
DSP Motionに搭載されている「草木」「水」「風」といったサウンドモデルは、自然や環境系の音演出にも利用できます。一般的な風景ほか、たとえば上の動画のように、カメラがドローンのように景色を飛来していくようなシーンなども、風切り音などを使って臨場感のある演出を手軽に作ることができます。
ゲームでのサウンド演出に便利な「Unityエクスポート機能」
ゲームへの活用例をもう一つ見てみましょう。
DSP Motionには、ツール内で効果音バリエーションをすぐに量産できるだけでなく、「作った効果音データをUnityプロジェクトにエクスポート→ゲーム内で再生機能を実装」までの作業を早く行える、便利な機能があります。下の動画にて、Unityゲームシーンへの効果音実装を解説しています
アイディア次第で、あらゆるシーン演出のクオリティアップにDSP Motion を活用していけるでしょう!
アニメーションの動きと音をシンクロさせるなら、GameSynthも便利!
加えて、2D/3Dアニメーション映像制作においては、別製品の効果音ツールGameSynthにも、制作の手助けになるユニークな機能が搭載されています。下のGameSynth動画をご覧ください(2:14から開始されます)。
GameSynthで、SpriteStudioで制作したドラゴンアニメーションのモーションカーブを読み込み、羽ばたき音、ファイア音、雄叫びといった効果音の生成モデルをカーブと同期させることで、絵の動きとシンクロした効果音を半自動的に作り出しています。

今回紹介したテクニックは、プロシージャルサウンドツールだからこそできる、ゲームやアニメーションのサウンドデザインにおいて時間短縮となる新しいワークフローといえるでしょう。