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GameSynthで、コントロール可能な水音を作ろう

手で水をかき分けるような「チャプチャプ」音。動くスピードや距離などで、水音の高さ、激しさ、荒々しさなどがつねに変わります。
そのため、従来の水のサンプル効果音素材を使って、映像やゲームのモーションに完璧に合うよう編集していくのは、なかなか難しい場合もあるでしょう。
GameSynthには、Bubble(泡)やGoo(液体)など、水音の設計に向いたモジュールがあります。これらを組み合わせると、水の動きをシミュレーションできる効果音パッチを作ることができます。
Goo(液体)モジュール
Gooモジュールは、液体の滴りを表現できるジェネレーターです。
通常、蛇口から水が滴るような音を出しますが、Frequency(頻度)やDensity(濃さ)パラメーターを調節すると音の水中感、水の滴り量などが変わってきます。
Rain(雨)ジェネレーター
Rainモジュールは、雨の音を表現できますが、設定画面を開くと、非常に多くの項目があるのが分かります。
・Far/Close(遠くの雨か近くの雨か)
・Heavy/Light/Close(感覚的には、Heavy=ピッチの低い雨音、Light=ピッチの高い雨音、Close=すぐ近くで鳴っているポチャ音)
・Material(地面の材質。水音を表現したいなら、lake(湖)が便利でしょう)
・Impact amplitude(水滴が地面に滴る音の大きさ)
・Inside/outside(屋内か屋外か。ローパスフィルターに相当)
たとえばパラメーター設定で「遠くのザー音を消して近くのチャプチャプ音だけを発する」ようにすれば、水のそよぎなども表現できるでしょう
Bubble(泡)ジェネレーター
Bubbleジェネレーターは、ボコボコ…と泡の音を出すモジュールで、以下のパラメーターが用意されています
・Radius(粒の半径。音のピッチに相当)
・Rise(音のピッチが上昇していくような魔法効果)
Bubbleジェネレーターはワンショットジェネレーター(=つまりジェネレーター単体では、ポコッと単音のみ発音する)なので、水中のようなボコボコ…と連続した泡音を出すには、「Clockモジュールのような、持続的にトリガーを出すモジュールと接続」し、かつ「スライダーにランダム幅を設定」しておくとよいでしょう。
エフェクト
水音のような自然音は、基本的にエフェクトをかければかけるほど不自然になってしまいます。
そういった理由からも、このパッチではエフェクトの使用は極力抑え、メタパラメータを各ジェネレーターのパラメーターと直接繋げてコントロールすることで、音色を制御しています。
ただしTube(管)モジュールについては、これは空間特性を出すタイプのエフェクトで、たとえば水辺の岩のように音を反射する効果を意図的に出せるので、うまく使うと水音に臨場感が出るでしょう。
最終的なコントロール
ブログ下部のボタンから水音パッチをダウンロードしてみましょう。
水音パッチは、単一のメタパラメータでチャプチャプ音のめりはりをコントロールできるよう設計されていますが、
抑えるべきポイントは以下になるでしょう。
・Gainモジュールを利用して、各音の大きさをコントロールしています
・Clockモジュール(トリガーモジュール)トリガー発生頻度、およびトリガー発生のランダムさとメタパラメーターを結び付け、音の発生そのものをコントロールしています。
・さらにメタパラメータから、各ジェネレーターのfrequency(音の頻度)やdensity(音の濃さ)
といったパラメーターをコントロールしています。
結果として、水をかきわけたり、流量を変えたりといった動きに追従できる水音パッチに仕上がりました。(また、水音パッチそのものをWhooshモデルのSound source(音源)-Patchエリアにて取り込んで、ペンを描くようにして水音を発生させるのも面白いでしょう)

