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GameSynth新機能「UCSサポート」解説
GameSynth2021.1では、UCS(Universal Category System)をサポートしています。UCSとは、ありとあらゆる効果音を一貫したルールで分類するための「カテゴリ」「サブカテゴリ」「サウンドファイルの命名規則」のことです。
UCSは世界中のサウンドベンダーや効果音データベースによって採用されていますが、プロシージャルサウンドツールでは(認識上サウンド作成ツールでも)、GameSynthが最初にUCSをサポートしました。
GameSynthでは、UCSの使用はあくまでオプション(=ユーザー自身が使用するか否かを選べる)ですが、効果音ライブラリを作成する際には「作った効果音パッチを素早く識別する」「効果音書き出しにおいて命名を自動化する」といった形で便利に活用できます。
UCSカテゴリの割り当て
GameSynthでは、各サウンドモデルごとにデフォルトのカテゴリとサブカテゴリが設けられています。たとえば、Impactモデルの場合は「Metal-Impact」、Footstepsモデルの場合は「Footsteps-Human」となります。
パッチ情報パネルの上部にあるカテゴリアイコン(上図のオレンジ)をクリックすると、下の動画のように、作成した効果音パッチに別のUCSカテゴリ・サブカテゴリを割り当てるウィンドウが開きます。

UCS8.0で定義されている82のサウンドカテゴリがリスト化されており、この中から1つを選択できます。GameSynthでは、カテゴリをすばやく識別するために、各カテゴリ固有のアイコンが設けられており、アイコンをクリックすると、サブカテゴリのリストが表示されます。たとえば下図は、Crowds(群衆)カテゴリをクリックした例です。

UCSで検索
パッチリポジトリにおいても、UCSカテゴリ・サブカテゴリに基づくパッチ検索・並べ替えができます。 (例えばVehicleアイコンをクリックすると、乗り物系の効果音パッチが一覧できます)
またタグクラウド画面においても、カテゴリごとに登録されているパッチを視覚化することにより、UCS基準でデータベースを一望できます。詳しくは前回のパッチリポジトリ解説ブログをご確認ください。
効果音ライブラリの作成
UCSサポートは、GameSynthで効果音ライブラリを作成するときに特に役立ちます。
まず「バリエーション自動作成機能」ブログで解説している通り、GameSynthでは、ランダム幅を割り当てたパッチから音声ファイルを複数書き出すと、一連のバリエーションをもった連番音声ファイルが自動で作られます。この書き出し作業においても、UCS命名規則を使用できるようになりました。
下の動画のように、render(書き出し)ウィンドウにて、UCS info(UCS情報)を有効にすると、ファイルの書き出し名にUCS CatID(UCSカテゴリとサブカテゴリを組み合わせたID)が追加され、さらにオプションで作者名とプロジェクト名(UCS AuthorIDとSourceID)を追加できます。
あとはrenderボタンで書き出せば、さまざまなバリエーションを含んだUCS命名準拠の効果音ライブラリができあがります。最新のサウンドデータベースで簡単に効果音を検索できるでしょう。

