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ゲーム・アニメシーンのサウンドをGameSynthで
つくろうSF②-戦闘ロボットとコックピット
今回は効果音作成ツール「GameSynth」を使って、ロボットやコックピットシーンの効果音を作ってみましょう。
以下のアニメカットシーンの音は、すべてGameSynthで作成されています。
それではシーンに登場するオブジェクトを、ひとつひとつ見ていきましょう。
コックピットの電子音
電子系ボタン・インターフェースのピコピコ音は、GameSynthのRetroモデルや、Blip、Chirp、オシレーター、LFOを備えたModularモデルを使っていくのが便利です。
以下の動画では、Retroモデルで、スケッチパッドと(Sample&hold設定にした)LFO、さらにランダム幅をもたせたピッチによって、まるでR2D2のような電子装置作動音をランダムに作り出しています。
このパッチから複数のバリエーションをwav書き出し、もしくはReaperに直接エクスポートして、アニメシーンに合う音を選んで使っていくと便利でしょう。
※バリエーションの自動書き出し機能はこちら、Reaperへのエクスポート機能はこちらで詳しく解説しています。
ほかにも、いろいろなインターフェース音を以下のようにRetroモデルで作りました。
パーティクルモデルを使って、心地よいスイープ音(サッという音)を作ろう
コックピットで最初に聞こえるノイズベースの音は、モジュラーパッチとパーティクルパッチの組み合わせで作られています。
①モジュラーモデルでノイズ音をつくり
↓
②パーティクルモデルの音源としてとりこみ、スケッチパッドでリデザイン
以下の動画では、X軸でパン、Y軸でカットオフをモジュレートし、ペンタブレットの筆圧で振幅をコントロールしています。スケッチパッドで最大3つまでのパラメーターをリアルタイムで(x軸、y軸、および圧力に対して)調整できるため、動画のようにスイープ音を直観的に作成できます。
ほかにも、ピッチ、パーティクルの放出率と寿命、フィルターのカットオフとレゾナンス、ディレイ、サンプル効果音の再生位置など、
さまざまなモジュレーション要素をスケッチパッドに結びつけられるため、設定次第でさらに凝った音を作り出すことも可能です。
もちろん、音源用サンプルをもっと追加して、LFO、サチュレーション、EQなどを使えばより動きのあるダイナミックな効果音もデザインできます。
ロボットの動き
以下のようにモジュラーモデルでオシレーターとノイズジェネレーターを用いたパッチを作りました。これによって、起動時に上昇してその後一定でアイドリングするエンジン音が仕上がります。
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- オートメーションカーブは、オシレーターのピッチと、ノイズが通過するフィルターのカットオフ周波数を変調させています。
- LFOでエンジンの回転感を出し、またさらにサウンドをより豊かにするため、フランジャーとコーラスのモジュールを使用しています。
右は、「ウイ-ンガシャン」の効果音パッチです。基本的な考え方は、モジュラーモデルのプリセット「T-Rex Foot」に基づいており、その上でいくつかカスタマイズを行っています。
- ロボットのサーボを表現するため「Motorサーボモジュール」を追加
- 音にインパクトを与えるため、ボコーダーといくつかのチューブモジュールを追加
さらに風切り音もミックスしています。モジュラーモデルでフィルター処理されたノイズを作っておき、それをパーティクルモデルに取り込んで立体的な風切り音に仕上げています。
最終的な音はこのようになります。
メカの斧が現れるときの「ビリビリ」音は、Blipモジュール、Electricityモジュール、Pulseオシレーターを使って作られています。また武器が充電される音は、バイカッドフィルターを通したノイズモジュールを重ねることで作成しています
これが結果のサウンドです。
メカのAIの声「交戦開始」も100%プロシージャルに作成しています。Alto StudioのSpeech Synthesizerを使って "clear to Engage(交戦開始)"ラインを生成し、それからVoiceFXモデルを使ってサウンドエフェクトを適用しました。

DOWNLOAD ALL PATCHES ※GameSynth ver.2019.1以上が必要となります。 のちにオンラインパッチリポジトリにも追加されます。
次回の記事では、宇宙船のバトルシーンになります。レーザー、ミサイル、バリア、爆発などの効果音作成を取り上げていきます!