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2018/09/25

「サウンド分析機能」で、よりリアリティのある効果音に

GameSynthには、より音をリアルに仕立てるための「サウンド分析機能」があります。今回は、ツール内でサンプル音の特徴抽出を行い、得られたデータを新たな効果音作成に利用していく手法を紹介します。

1.リアルな打撃音を量産

サウンド分析機能を強力に生かせる例として、下図の打撃音モデルがあります。

「resonant impact」ウィンドウに、抽出したい打撃音サンプルをドロップすると、スレッショルド・最大モードの確認画面が表示されたのち、打撃音サンプルに含まれている共鳴モード(下図左側にある灰色のノード群)が抽出・配置されます。


以下のビデオでは、「打撃音サンプルをツール内にドロップ」→「完成したモデルにランダム幅を設定」 を行うことで、剣や木のぶつかる音のバリエーションを手早く量産しています。


2.風切り音をダイナミックに

風切り音モデルのエンベロープ成分にて、サウンド分析機能を利用できます。通常は下図のような編集可能なマルチセグメントエンベロープですが・・・


下の動画のように、手持ちのサンプル音をドロップして得られたエンベロープを適用することもできます。下の例では、銃声効果音のエンベロープを用いて、よりアタック感の強い風切り音に仕上げています。

3.足音のシーケンスに

こういった分析機能は、パッチングモデル内の各種モジュールにおいても利用できます。

下図のシーケンサーモジュールにて、手持ちの効果音のタイミング・振幅情報を分析取得し、うまく利用すれば効果音モデルに「自然さ」を与えることができます。


下の動画では、硬質な足音サンプルからタイミングを抽出し、その情報をモジュラーモデルで作成した砂利の足音に適用しています。

4.怪物の雄たけび音に

またパッチングモデルに搭載されているカーブモジュールでは、サンプル効果音から振幅・ピッチ・ノイズネス情報を抽出し、利用できます。
Analysis 4

このように抽出したカーブ情報は、モジュール内のあらゆるサウンドパラメーターに接続できます。たとえば下の動画ように、怪物ボイスをより生き生きさせ、バリエーションを増やすといった用途にも使えます。

最後に

こういったサウンド分析機能は、効果音のクオリティを高めるのにパワフルに利用できます。今後のバージョンアップにて、機能はさらに追加されていくでしょう。

ゲームサウンドに興味のある皆様、ご自分のワークフローにぜひともお試しください!

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