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2018/10/09

ドラゴン効果音を作ろう

GameSynthのプロシージャルサウンド合成によって、たとえばドラゴンの出す効果音(雄叫び、炎のブレス、羽ばたき、足音、尻尾を振り回す音)なども、作成できます。




またランタイムで使用することを考えると、

  • ゲーム内容と連動して、生成する音に変化をつけられる
  • 効果音バリエーションの自動生成が可能。
  • 全てのサウンドパッチをバイナリ形式で描きだしても、わずか6kB。

という利点も備えています。

本記事では、上記ビデオ内でお見せした 各ドラゴン効果音の作り方を紹介いたします。

羽ばたき音

翼の音は、2種類の音を混ぜ合わせて作っています。

まず以下のように、Whooshモデルにて迫力のある風切り音をつくったのち、




次にModularモデルにて、以下のようなグラニュラーノイズをベースとした「ザラッ」とした強い音を作り、



最終的に両者を混ぜ合わせる(以下のように、2つのPatchPlayerモジュールを使ってミックスする)ことで、大きな生物の力強い羽ばたきを表現しています。



このPatchPlayerモジュールには、以下の利点があります。


  • あらゆるモデルのプリセットをネストできるため、モジュールの見やすさを保ったまま複雑な音を組むことができます(大規模なパッチもサブパートごとに収納できるため)。
  • 上図の例では、単純に2種類のパッチをミックスしているだけですが、複雑な連携も可能です。
  • また、各PatchPlayerモジュールで使用しているメタパラメータも、他のモジュールやゲームからアクセスすることも可能です。

尻尾

尻尾を振り回す音は、Whooshモデルを利用して作成しています。

GameSynth Ver1.1より、Whooshモデルにてドロップトーン(低周波でブン!とうなる音)を作成・ミックスすることが可能となりました。 これにより、従来の風音に「低音のうなり」を加え、より力強い風音を加えることができます。


足音

大型生物の「ズシン」という大きな足音は、モジュールモデル内で設計可能です。



①緑のグラニュラーノイズを発音源とし…
②迫力を増し、高周波をカットするための各種エフェクターにかけ
③流れを分岐させ、サチュレーター&バイカッドフィルターによりさらに音にパワーをかける

という流れで、強い足音を作成しています。
幾つかのモジュールにランダム幅を設けているため、再生ごとにバリエーションに富んだ音が生成、発音されます。ドラゴンを走らせるなどのシーン表現に役立つでしょう。

ファイアブレス

複数のノイズジェネレーターを、各種フィルターに通し、ミックスすることで仕上げています



雄たけび

ゲーム演出にて重要な音ですが、作成方法はシンプルです。



①緑のCreatureモデルを発音源とし…
②迫力を増すための各種エフェクターにかけ
③流れを分岐させ、サチュレーター&バイカッドフィルターによりさらに音にパワーをかける
という流れで、作成しています。

迫力を出すためのエフェクトチェーン部分の構造が、前述の足音と似通っているのが分かるかと思います。こちらもモジュール内にランダム幅を設けているため、再生ごとにバリエーションが発生します。



今回紹介したすべてのパッチは、CPU消費も軽く済みます。また、多量の効果音バリエーションをあらかじめ用意しなければならない従来の方法と比べても、メモリフットプリントも小さく済みます。 大部分のパラメーターセッティングは、メタパラメータを通じてゲームから操作可能です。もちろん、オートメーションカーブを使った時間ごとの調整も可能です。



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