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GameSynth 2022
2023/03/08

ベースシンセ・TB-303サウンドをGameSynthで再現してみよう

シンセサイザーに愛着のあるTsugiですが、多くのエレクトロニックミュージックジャンルに不可欠な存在だったRolandの傑作ベースシンセ・TB-303サウンドを、GameSynthのModular環境で大まかに再現したパッチを作成しました。まずは動画をご覧ください!


音源

もちろん実機のサウンドを正確にエミュレートしているわけではありませんが、比較的少ないモジュール設計で、十分似た音を出せるパッチに仕上がりました。TB-303のアーキテクチャは比較的ベーシックです。

  • まず、ジェネレーターとしてSawタイプのOscillatorモジュールを使用しました(もちろん303のようにPulseにも設定できます)。
  • 次にその出力を24db/octスロープで、ローパス設定されたEQ Filterに送ります。
  • EQ Filterfrequencyq値は、マシンのエンベロープ変調をシミュレートするEnvelopeによって制御されます。

また、CubicタイプのSaturatorも追加し、ややサチュレーションを加えることでサウンドにアナログタッチを加えています。チェーンの最後でGainモジュールを制御するEnvelopeは、1つのノート(音符)に対する基本的な振幅エンベロープとして機能しています。


シーケンサー

実機のように一連のノート(音符)が演奏できるよう、いくつかの新しいモジュールを追加しました。

  • 2機のArpeggiatorに接続されたClockは、Oscillatorの振幅とピッチの両方を制御します。
  • amplitudeに接続されたArpeggiatorは、シーケンスからトリガーするノートを選択するために使用されます。
  • pitchに接続されたもう1つのArpeggiatorがメロディーを作成します。
  • 2つのArpeggiatorのステップを調整することで、さまざまなベースラインを生成できます。また、Clockを使用してシーケンス全体のテンポを変更できます。

コントロール

さらにリアルタイムで柔軟に音を変えるため、実機シンセのコントロールを模した、いくつかのメタパラメータを追加しました。したがって、前述のサウンドの生成は非常に簡単ですが、この章で解説するコントロールセクションでは、より多くのモジュールを使用し、設計が複雑になります。

TempoメタパラメータはClockFrequencyに直接接続され、Cutoff Freq(カットオフ周波数)とResonanceメタパラメータはそれぞれEQ Filterfrequencyq値に接続されます。ただし、最後の2つのメタパラメータは、すでに制御されているパッチの部分に影響を与えるため、設計がやや複雑になりました。Env Mod(エンベロープモジュレーション) はフィルターの変調量を制御し、Accent(303のサウンドを非常にユニークにする) は特定の音を強調させます。

これを実現するために、複数のArithmeticモジュール (乗算または加算に設定)を使って狙い通りにコントロール信号をミックスし、優先順位を付ける一方で、もう一つのArpeggiatorモジュールを使用してアクセントのあるノートを選択できます。コントロールチェーンのBiquad Filterは、信号を少し滑らかにするために使用しています。



最後に、このような画期的なベースシンセを世に出してくれたRolandに感謝!

パッチは以下からダウンロード可能です。Discordサーバーにて皆さまのコメントやご提案などをお待ちしております。


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