2026/07/30

CEDEC2026

2026年7月22日よりパシフィコ横浜ノースで開催された「CEDEC 2026」に参加しました。
CEDECとはゲーム開発者によるカンファレンスでComputer Entertainment DEvelopers Conference の頭文字をとった略称です。
アメリカ・サンフランシスコで行われているGDC(Game Developers Conference)に似ていますが、CEDECは日本の開発者を対象としています。

今年のテーマは「Co-Create」(共創)、テーマカラーはオレンジです。(※Tsugiのイメージカラーと同じです!) セッション形式はゲームデザインからビジュアルアーツ、プロダクション、エンジニアリング、学術研究、ビジネス&プロデュースと多岐にわたります。
もちろん、私たちが最も注目したのはサウンド関連のセッションです!
すべて日本語で行われていましたが、参加したセッションの簡単なまとめを以下にご紹介します。

イベントのキックオフは元SCE(現SIE)ワールドワイド・スタジオ吉田修平氏による基調講演から始まりました。(※Tsugiの創業者も以前こちらに在籍)
人気ゲームにまつわるエピソードをたくさん伺えて、とてもよかったです!

基調講演につづき、より専門的なサウンドセッションであるバンダイナムコ社の内製サウンドミドルウェア「Sygnus」についてのセッションに参加しました。
これは同社の独自ゲームエンジン「Sol-Aves」の一部です。
主な目的は、サウンド制作ワークフローを効率化し、開発を中断せずに迅速なイテレーション(開発サイクル)を可能にすることにあります。UIはWwiseの軽量版のようでいて、同社のニーズに合わせて調整され、エンジンの他の部分と直接統合されていました。
バンダイナムコスタジオはSygnusを本格運用し始めたばかりで、初めてリリースされたタイトルは「カービィのエアライダー」とのこと。

個人的にその日最も面白かったサウンドセッションは、間違いなくAZSTOKE社のセッションでした!
同社は試行錯誤を通じて、大きな衝撃音、瓦礫、火炎放射器などの大規模なフォーリー収録を、広大な自然、ブルドーザー、クレーン、とても創造的な解決策(3Dプリントしたマイク保護具など)を使って録音した方法を解説されていました。安全な距離から大きな物体を落下させる仕組みや、マイクとオーディオインターフェース間の長距離オーディオ伝送についても語ってくれました!

また、SoVeC社(ソニーネットワークコミュニケーションズ傘下)のセッションでは、同社の技術が2025年大阪・関西万博で、いかにして膨大な数のオーディオおよびハプティクスチャンネルを制御したかを解説されていました。PlayStation時代に共に働いていた寺坂氏が、現在どのような取り組みをされているかを知ることができ、大変嬉しかったです!

2日目の午前中は、ゲームサウンドミドルウェアに関する2つのセッションに参加しました。
まずは、CRI・ミドルウェア社(Wwiseの日本版に相当するサウンドミドルウェア「CRI ADX」の開発元)のセッションに参加しました。こちらでは、信号処理と機械学習を組み合わせたリップシンク(口パク)ソリューション「CRI Lipsync Alive」の新機能を解説されていました。

つづいて、Audiokinetic社のセッションにも参加しました。
Damian Kastbauer氏と合田浩氏がWwiseの新機能を紹介された後、Wwise Reflectプラグインに焦点をあて、Wwise Acousticsのさまざまなコンポーネント(部屋とポータルの伝播、解析、透過、リバーブゾーン、初期反射など)を話されていました。Damian氏の初来日の際に直接お会いできてよかったです!

今回のCEDECでは、「ドンキーコング バナンザ」に関する任天堂のセッションがいくつか行なわれ、その中でもボクセルとサウンドデザインに焦点を絞って参加しました。開発者の方たちは、800種類以上もの異素材における破壊の効果音について、いかにして量産したかを語ってくれました!
「ドンキーコング バナンザ」は間違いなくこのカンファレンスの主役で、関連セッションはすべて満員。CEDECアワードを総なめにしました!

また、コナミ「Metal Gear Solid Δ: Snake Eater」のサウンドセッションにも参加しました。プログラマーの一人が、銃声や空間オーディオについて、現実世界の音響理論に頼らないことを意図的に選択した理由を説明してくれました。厳密なリアリズムよりもインパクトやプレイヤー体験を優先したとのこと。(※残念ながら写真撮影は禁止されていました。)

2日目最後のセッションとして、ゲームサウンドミドルウェアの未来に関するパネルディスカッションに参加しました。登壇者は、ゲームサウンドに精通したジャーナリスト、ゲームサウンドデザイン会社の代表、CRIミドルウェア社のCTO、バンダイナムコスタジオのサウンドマネージャーといった方々でした。
要するに、面倒な作業はツールに任せて、自分たちは創造的なことに集中したい――それを誰もが求めているということでした!

3日目は主にサウンド関連以外のセッション参加でしたが、午後はサウンドツールに焦点を当てた2つのセッションに参加できました。
最初のセッションではガンバリオン社のサウンドエンジニアが、同社の内製ツールである「GST SoundFiler」が小さな「ユーティリティソフトウェア」から、サンプルとオーディオミドルウェアの間に位置してワークフローを効率化する「フル機能アプリケーション」へと進化した過程を教えてくださいました。

そして、最後に参加したCEDECのセッションはAZSTOKE社が開発した2つのシステムについてでした。
「RIGDOCKS」はワークフロー改善のために設計された500以上の機能を持つAPIで、「RIGDRED」はローカルネットワーク経由でモバイルデバイスからReaperを遠隔操作できるものです。

CEDECには展示エリアもあり、今年はサウンド関係者にとって素晴らしい年で、サウンド関連のブースがたくさんありました!
AudiokineticCRI ・ミドルウェアといったおなじみのゲームサウンドミドルウェア企業に加え、他にも多くの注目すべき展示がありました。
AZSTOKEがサウンドツールを展示、ヤマハがSound xR Coreの立体音響技術、ソニーが音源分離アルゴリズム、東芝が最新のテキスト読み上げ技術、GATARIが複合現実(MR)向けのオーディオファーストなゲームエンジンをそれぞれ紹介されていました。特に慶応義塾大学の学生たちが、音と物理的な振動の両方を通じて見えない存在を知覚できるバイブロスケープ共有システムを実演されていた点にも注目したいです。

全体を通して非常に刺激的なイベントで、新しいゲームサウンド技術を生み出すためのアイデアとエネルギーをたくさん新潟に持ち帰ることができました!



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