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SFアクションのサウンドデザイン
今回は、DSP Sci-Fiを使って、SFアクションシーン全体のサウンドスケープの作り方をご紹介します。
―舞台は緊迫の宇宙空間—
スペースチームが突如、エイリアンの飛行ボットに襲撃されます。しかし、救助船が間一髪で駆けつけ、劇的な救出劇が展開されます!
それでは、完成した映像をご覧ください。

宇宙船の到着
冒頭のシーンでは、救助船が到着する様子を描いています。
そのスケール感と迫力を強調するために、複数の宇宙船サウンドを重ねて使用しました。エンジンの主な轟音には 輸送船 パッチを使用し、高音域には宇宙空間パッチを使って、多数の船が一斉に飛来するような印象を演出しています。
着陸シーンでは、着陸パッチの着地と推力の値を最大に設定し、重厚で金属的な着地音を表現しました。
さらに降下の迫力を高めるために、ロケットパッチをかなり低いピッチで使ってわずかに引き伸ばし、エンジンの下にサブベースのような轟きを加えています。
これらの要素を重ねることで、わずか数種類のパッチから、スケール感、緊迫感、そしてシネマティックな重みを持つサウンドを作り上げることができました。

カオスなサウンドスケープ
宇宙船が到着すると、環境自体が物語において重要な役割を果たします。観客にはこの異星の戦場での不安定さと危険性を感じてもらいたいと考えました。イオンストームパッチは、ここではまさにうってつけでした。
DSP Sci-Fi のプロシージャルサウンドエンジンを活用して遠雷の鳴る頻度をわずかにランダム化し、そしてプラズマの左右の広がりを微調整して、いくつか嵐のバリエーションを生成できるようにしました。
同じパッチから生成されたわずかに異なる2つのサウンドを重ねることで、まるで空気そのものが生きていて予測不可能であるかのような、変化に富んだ刺激的な雰囲気が生まれました。最後に、警報パッチを追加して全体をまとめ、シーンの強烈さを強調しました。

エイリアンの襲撃
エイリアンの襲撃シーンでは、異次元の世界を感じさせると同時に脅威を感じさせるサウンドが必要でした。しかし同時に、人間の宇宙船の機械音とは十分区別できるサウンドも必要でした。そこで、主に以下の3つの音源を使用しました。
- ナノロボットパッチにより、密集した群れのようなテクスチャが作られ、速度と密度がランダム化されて、攻撃が広がっていく感覚が生まれます。
- 強いモジュレーションとピッチシフトを備えた寄生体パッチは、不安を掻き立てる有機的な動きを生み出します。
- エーテル体パッチは、さらにもっと怪奇的で、そして人間の理解を超えた何かを感じさせる効果で使われます。
モジュラー的アプローチ
DSP Sci-Fiの最大の強みの1つに、1つのパッチから様々なサウンドを生成できることです。この動画では、関係のないサウンドを何十個も読み込むことなく、厳選した少数のパッチを使い、それぞれのパッチに複数のバリエーションを重ねて作成しました。
- イオンストームパッチだけで、背景の雰囲気とシャープな印象の両方が加わります。
- ナノロボットパッチは、微妙な動きを柔らかくしたり、大群に襲われる恐怖感の演出を強めたりすることができます。
- 輸送船パッチも、わずかなパラメータの変更だけで飛行と着陸の両方の効果が作り出せます。
このモジュール的アプローチにより、時間が節約され、まとまりのあるサウンドパレットを維持することができます。さらに、さまざまなテクスチャを操作できるようにもなります。
最後に
エイリアンの大群から嵐の空、激しい着陸から脅威的な警報まで、このショートフィルムに使われているすべてのサウンドはDSP Sci-Fi で作られており、そのほとんどは数種類のプリセットから構成されています。レイヤーを重ねたり、バリエーションを調整したりすることで、ツールから離れることなく、没入感あふれる世界をデザインできます。
映画やゲームの制作に取り組んでいる、あるいはサウンドデザインの実験をしている場合、必ずしも何百ものパッチが必要なわけではありません。DSP Sci-Fiを使えば、ほんの数種類のパッチで大きな効果が得られます!

